こんにちは。ご無沙汰しています。院長の落合友香です。
大阪大学歯学部・予防歯科 天野教授の講義を先週末受講しました。
その中で
①虫歯になる子は2歳半頃までに虫歯菌が口腔内にあるかどうか。
(主に親からの感染)
②幼少期からの口腔内の細菌層が厚い➡︎細菌ピラミッドを形成
➡︎歯周病菌が生きていける環境を形成
③細菌ピラミッドができている子に歯周病菌が18歳頃に感染(P.g.菌)
➡︎唾液を介した経口感染
という話がありました。
ということは、
①2歳半頃までに虫歯菌を入れないように
②正しい歯磨きをする習慣をつけること
③18歳以降、細菌検査をして歯周病の原因となるP.g.菌Ⅱ型がいないかを検査すること
でお口の中が健康に保たれる基盤ができるということです。
口腔内の細菌層は30歳頃までに確立されその後変わることはないそうです。
生きることは食べること。なるべく細菌に感染しない環境が望ましいですがもしも感染してしまっても細菌検査でリスク判定ができます。それが先生がおっしゃる予測歯科です。
当院では約10年前よりBMLによる細菌検査を実施しています。この講義を聞いてから今まで行っていた4菌種測定法よりP.g.菌の有無および細菌の遺伝子検査が必要なことがわかりました。
今後の検査は
①位相差顕微鏡でのプラークの確認 患者様の口腔内から採ったプラークを位相差顕微鏡で見ます。患者様のスマートフォンでも確認することができます。(無料)
②位相差顕微鏡で確認したプラーク中の細菌の活動性が高い場合、細菌検査をお勧めします。細菌検査の結果からP.g.菌が見つかる可能性があるからです。(自費検査)
先日、救急搬送された50代の患者様。
循環器内科の先生から口腔内細菌による敗血症が原因だったため歯科を受診するように言われて来院されました。「死ぬと思った」その原因が口腔内の細菌とは思いもしなかったそうです。
阪大の天野教授の講義でもラットにP.g.菌を注射したところ1週間後に死亡し、解剖すると臓器が真っ黒に変色・萎縮している写真にショックを受けました。
お口の健康は全身の健康と深い関わりがあり、健康に生きて行くために自分のリスクを知って正しい口腔衛生管理をしていくようおすすめします。